映画の話

映画 覚え書き

回転

ジャッククレイトンの回転を観る。これは、15年前の黒沢清 監修「映画は恐ろしい」おすすめのDVD 三本セットで購入したが、つまらないという気持ちを我慢して3回観て「これ、何が怖いの?」みたいになって観ていなかったのに、昨日みたら、本当に怖すぎて半分くらい観てストップ。この映画は本当によく出来ていたしスピルバーグってホラー映画を作るのを自ら封印した生粋のホラー作家なんだ。と初めて気付く。その前に、黒沢清のcureも少しだけ観て嫌な気分になりそうなので観るのをやめてしまったが、あの映画の方法論もこの映画で使われている。

映画館で、この手のお化け屋敷映画を観て「どんよりカタルシスに浸りきって、映画館を出ると、入る時は海でも行きたくなるような快晴だったのに、どっぷりと日が暮れて、万年浪人生みたいな気分になる。...みたいな事が自宅でDVDを観ていると全くなく、ただただ昼も夜も家に篭ってカーテンを閉め切って覚醒剤をずっと打っている人みたいな嫌な気分になる。要するにどんよりした人間がどんよりした事をしていると自分で映画を見終わって、どんよりした人間なのだ。と再認識する。の無限ループなのだ。

そんな意味で野獣死すべし。とかタクシードライバー。とかのダークヒーロー スター誕生ものは、どんよりしている主人公なんだけどヒーローもの。という側面もあり良いとこ。どりなのだ。
先週、芸人 永野さんがレッドアイの番組でエミネムの8マイルについて熱く語っていたが、週刊カズレーザーのペコパがゲスト回の時のような、やさぐれたダークヒーローが初期衝動のピュアな記憶に戻っていく感じのノスタルジアがあって良かった。おそらく村上龍のコインロッカーベービーズもよく読んだ事はないが、そんな話だったような気もするし、半島を出よ。や昭和歌謡大戦争も引きこもりオタクのヒーローものだった。先日見返して気付いたブレッソンのスリも、エミネムの8マイルを観てラッパーになろうとして挫折した華やかさのない地味な風貌の青年として見返して観ると深みがでてくる。スリの冒頭の遊園地もファズビンダーの自由への疾走やオペラハットの冒頭に繋がるのだが、結局は、野獣死すべし松田優作も、間違って売れたitバブルスター社長(ダンディ坂野のようなギャグを連発するネズミ先輩のような性格はホリエモン。みたいなキメラ人間を想像してみてください)が芸能事務所を作って チンピラ鹿賀丈二をアイドルとしてプロデュースしようとして大失敗していく話みたいにして観ると、最後まで集中して観れるのか?とも思った。そんな感じでフイリッツラングのマブゼ博士とノーランのダークナイトの金融恐慌時代を連想させる映画にも繋がってゆく。
そういえば、回転の常にカメラがメリーゴーランドみたいに回転してる感じも演出として怖かったが、このカメラワークもマックスオルフュスで何度も観た気がするし、たそがれの女心の何度も繰り返される鏡と回転の演出を観ている時にダリオアルジェントのサスペリアを思い出したりした事を、このジャックレイトンの回転を観ながら思い出したりした。

そんなこんなをひっくるめて、ツアイミンリャンの楽日を見直して観ると、普通にみたらありえないほどつまらない映画だがー発見があるかも知れない。
先週、おぎやはぎやハライチやオードリーの番組で坂下千里子とテニス倶楽部の中に爆笑問題の太田さんが不揃いの林檎たちの柳沢慎吾の踏み絵のように炙り出されていく感じと、空気階段季節はずれの海岸物語。みたいな番組と薄く繋がって連作化してゆく。みたいな感じで、楽日の中の映画館でやっているキンフーの映画が、戦場のメリークリスマスの冒頭に繋がっているんじゃないか?みたいな発見がある事が、伊集院さんが以前 何かトークのネタに繋がるんじゃないか?みたいにして掘りだしていた三国志の話に繋がっていく。のかもわかりません。要するに、地層化された映像。みたいな感じでビデオテープ文化を捉えはじめた時に、最終的に自分だけの合成ビデオを作れるソフトなども出来てくるように思う。それを先取りしてるのが黒沢清のノリなんかな?と思う。けども、その記憶の地層が合成コラージュになっているものをもう一度 文字列に再変換する事が李白とかの漢詩。の4文字熟語。化石に文字列を彫んだオートクチュールが西洋マトリックス占星術に再変換され繋がっていくのが中華映画なのかな?とかも思ったり。