映画の話

映画 覚え書き

フルメタルジャケット

昨晩は、祭りの掛け声や神輿の音が外で鳴り響くのを横目に、自宅でカーテンを閉め切ってフルメタルジャケットを観ていた。まるで、外でも戸塚ヨットスクール的な訓練が行われてるような気もしたし、フルメタルジャケットの訓練自体が祭りのようにも思えて最高のビデオ体験となった。
今回見直してみて、訓練所で虐められている 微笑みデブが電通とか清水建設とか大手企業とか「もの凄く頭が良い大企業のデザイナーとかTVの大物プロデューサーになれるような器の奴」にも思えて、若い才能のある奴の芽を、めちゃくちゃ世界観が狭い脳筋の奴がめちゃくちゃ一生懸命指導して、その結果として才能や人格を潰していく。という倒錯的だが昭和の日本でもごくごく一般的な日本の学校や会社の風景のようにも思えて見応えがあった。
たぶん微笑みデブが生きる上で無意識にこだわって考えたり執着している事柄が、鬼軍曹が考える理想の海兵隊員の在り方。みたいなちっぽけな概念に対して全く無意味なモノなので、機械的に虐め続けている。のだが、人間の才能自体は人が強引に変更できる種類のモノではなく、結果として気が狂っていく。事や圧倒的に喧嘩の強い軍曹の顔がめちゃくちゃ爺い。みたいなビジュアルへの面白さ。だったりした。
若い頃は、才能や出世の芽を潰される。みたいな事が圧倒的な未来への恐怖として認識されていたが、この歳になるとまるで社会現象のように科学的な感じで楽しんでみれる。社会的な大成功など既に自分に全く関係ない現象だから。

微笑みデブがリンチされるシーンまで観て再生をストップし、乾いた花をみる。何回か冒頭部分をみて、挫折していたが今回4回目にして初めて、「TV局のバラエティの本場前の楽屋を任侠映画風に撮っている作品」だと気付いた。そうしてみると、加賀まりこの任侠パロディ映画におけるガーリー映画っぽい演技のバランスの上手さに驚かされる。3回観るまで、藤純子冨士真奈美に比べて観てしまっていて「演技下手だし、色気も存在感も弱いなぁ」と思ってしまっていた。とはいえ、この映画も開始1時間の壁を未だに超えられず、疲れて今回も再生ストップし寝る。