映画の話

映画 覚え書き

titan

チタンはつまらなかった。僕が著名な映画評論家とか音楽ライターなら「最近の若い人らの望む方向の社会への不満とか人生への葛藤?...考え方....なんやろうなぁ......年頃のお子さんを持つ親が恐る恐る子供部屋をノックする時の気持ち...」みたいな事を言ってしまったら、勿論 そこでキャリア終了だ。「前半はLA大捜査線とエクソシスト。後半は恐怖の報酬のフリードキン監督がまるで今村昌平の復讐するは我に有りのテーマをクロネンバーグのクラッシュとリュックベンソンのニキータのビジュアルで撮ったような今年 最大の問題作!」と言ったような訳のわからない事を言って若作りしていた事だろう。

それにしても、昨日 久しぶりに映画館で観たヴァンダの部屋は良かった。途中 ダラダラと同じ事が繰り返されて寝落ちした映画のラストに震えるほどの感動を覚えるとは?!スパイクリーのクロッカーズがrapの映画だとするとヴァンダの部屋アブストラクhiphopだ。改めて 最初に観た血。そして先日 購入したヴィタリナの面白さに気付く。これはDJ shadowのアルバムを買うようなもんですよ!

特に 初期の作品。血の面白さに気付く。単にわかりにくいノワール。だと思っていたものがネオリアリズモの進化形だった。ネオリアリズモも初期はドキュメンタリー風のノワール。だったものが徐々にノワールの闇の部分に生活臭を取り入れる事で、暗い闇なんだけど暖かみがある。みたいな形態が、徐々に闇自体が映画全体を覆う 架空の都市開発を巡る問題点を照らすシステム。を人間のDNAの生物学的な問題に置き換えて考える。みたいなレベルまで発展していっている。

村上龍の空港にて。の第一話 コンビニにて。を読みながらクロネンバーグのスキャナーズを念頭に置いて村上龍がこの小説を書いていると仮定しながら読み終えた。感じで チタンの感想文を書いてみました。

チタン。つまんなかったっす。ただ、あのセットみたいな職場とかクラブやレイブパーティーの撮り方はまあまあ良くて、あの感じの撮り方。元は増村保造の盲獣だと思うと、チタンだと思って緑魔子観ると、緑魔子の演技。今のクロネンバーグのサイバーパンク女優的なもん かなり先取りしてるんすよね。赤い天使の若尾文子もそうだし、東映現代劇の大原麗子とかもそうなんですよね。よく考えると あの辺りの映画 ほぼコンクリ打ちっぱなし的な室内家屋で撮られてるのも この手のアメリカのサイバーパンク映画の先取り。ですよね。もっと言うと溝口健二祇園囃子とか赤線地帯のセットと見比べても楽しい。ですし、そっから 篠田正浩の心中天の網島の撮り方もサイバーパンクっぽくて ゾッとしますよ。
そんな感じで言うと、チタンイマイチかなぁ。アンニュイな感じも良かったけど、あのアンニュイな冒頭のレイブでのストリップシーンが好きなら、ファズビンダーの悪の神々がめちゃくちゃハマると思うし、あっち見ると、チタンとかクロネンバーグのサイバーパンクのシーンもあそこまでゴツゴツと色ドギツくしなくてもクールにいけたのかな?とかも思ったりもしつつ、冒頭のあのシーンは物語全体としての深みとかトーンで言うとぶち壊しだけど、あのシーンだけで言えば ポールバーホーベンのshow girlっぽくて好きでした。

又吉の火花の巻末とか町田康youtubeとかで 何回も同じ本を読まないと素人は意味わからないし、評論は作者と読者の共犯関係。みたいな言葉に触発されて チタンや村上龍の空港にてのコンビニにて。とかを受け止めると、作ってる人 自体がマテリアルワールドの人だから 作ってる側もプロダクトに毒されているのか?そこは意識的なのか?があまりよくわからない。そこに 突如 キラキラした夢。みたいな文章が投げ込まれているから、ネガティブな考え方なんだけどポジティブな服着て生きてる。みたいな感じになって、又吉理論でいくと 変な文章なんだけど、俺は いつも本屋行って 同じ値段だと立ち読みしてhypeな方を買ってしまう。ちょっとでも言葉に酔って 1円でも長く得したい。みたいな感じが本能的に働くわけだけど、たぶん何回も本を読み込む事で又吉 本と逆に、最初キラキラして得した!みたいな感情がどんどん貧乏臭くなって最終的に自傷行為みたいな感じになっていくん?ちゃうんかなぁー。みたいな気もしつつ、結局 それがアメリカンニューシネマだから村上龍というカウンターカルチャーを代表する作家だから。みたいな話になりますね。

前回 横浜の古書店で東京百景と同じ金額で素敵なダイナマイトスキャンダルの末居昭が置いてあって両方とも買う気が急に冷めて阻止されたし、本日 マジカルラブリーの村上のyoutube動画見て又吉の花火を読みたくなってブックオフ来たけれど今回も同じ金額の村上龍に阻止されて 又吉の花火 は後一歩のところで購入に至りませんでした。

しかし、今 自宅で読みながら、村上龍...失敗したかなぁ...。と思ってます。皆様 ぜひ チタンを観たら、又吉の花火を!