久しぶりの真面目な お洒落映画紹介である。
今週 早稲田松竹でソフィアコッポラのロストイントランスレーションが上映されていた。
以前、ラジオで若林が言及していた事もあり、なんとなく上映スケジュールをネットで確認すると、ブレッソンとエドワード・ヤンの3本立てで、とりあえず2本見たかったが、猫の病気の世話もあるので、ブレッソンの白夜だけ見る事にしたらめちゃくちゃ良かった。やはり、ブレッソンのぶつ切りで強引なカットつなぎと静謐なキレキレの美しいカメラが素晴らしい。
白人由来のヒッピーカルチャーにも、超金持ちの令嬢がブランドものをぼろぼろの古着とセンスよく組み合わせているジェーンバーキン系と既製品の古着を組み合わせて自分なりの尖りを出してくるアーティストの卵みたいなビリーアイリッシュ系の娘がいるが、哀しいかな早稲田ヤリヤリ広告サークルに否定的な私も、金持ち令嬢のわざと小汚い格好をしているサーファー風エセヤリマン風ガールの方に心を鷲掴みされてしまうのだ。
1本で止めるつもりだったが、若林のソフィアコッポラ スチュワーデス物語 オブセッションの謎解きまでの射程距離が見えてきたので休日にエドワード・ヤンのカップルズも我慢できずに見てしまった。本来1500円で見れたものを1500円+ラスト1本割りで2500円。
この映画は乱暴に解説すると、オードリー若林とdj 松永風の台湾の富裕層キッズによる池袋ウエストゲートパークなのだが、中国のリベラル富裕層が数多く日本に移住している昨今、佐久間信行プロデューサーによる若林の台湾の窪塚洋介バージョン化も頷ける。ものの、僕は若者では無いので若林に今時のリベラルな若手起業家のイメージを重ねる事ができず、なんか全体的にのっぺりしていてTV っぽいな。と思いながら、ダラダラとあちこちオードリーの視聴者も続けている。ちなみに池袋ウエストゲートパークを比喩に使ったが僕はこのドラマを見る機会が未だにない。このドラマが流行った頃すでに社会人でドラマなど見る暇もないほど会社に軟禁されて働かされていたからだ。いったいいつ頃から閑散とした西口公園が池袋ウエストゲートパークといわれるような渋谷センター街みたいな場所に発展していったのだろう?
話は逸れるが近所のブックオフに本を売りに行って立川談志の本を立ち読みしていたら、山藤章二の描くビートたけしが若林みたいな風貌になっていて談志が、「たけしは世を拗ねた陰キャの薄味毒舌の家元だっ!それに古今亭志ん生にも似ている」みたいに書いていて、僕は「たけしは僕らの世代的に強烈なポップアイコンで暴力的にツッコミキャラが濃いし、この世代の人達は志ん生にタケシのイメージを重ねるが志ん生は逆にスローなボケキャラやないか?」と思ったりしながら、志ん生のページをチラ見したら志ん生のイラストもたけしや若林っぽく描かれていた。若林もたけしも親父の記憶をよく語るが、志ん生のエッセイを読んだ時、怒った親父に刀や槍を振り回しながら追いかけられたエピソードがあって、3代前は江戸時代である事を改めて不思議に感じた。
今回の鑑賞で、エドワード・ヤンの恋愛時代やクーリンチュー殺人事件の日本の昭和や平成のTV のトレンディドラマのピースをバラバラにしてグローバル外資系企業の目線でゴダール的に組み直す手法の見事さに始めて気付いた。それまでは、ホウシャオエンと比較して、あのアメリカンスクールと日本の90sトレンディドラマみたいな感じを軽薄に感じていたものの、成瀬や小津や神代辰巳や川島雄三などばかり見ているうちに新鮮に感じるようになってきた。
ここで昨日ロストイントランスレーションを見れば、カートコバーン少年若林の追い求めたおぎやはぎのキラキラした日本の芸能界から野村訓市とソフィアコッポラの世界までのアナザースカイ。まで見渡せる上映プログラムだったが、猫の世話もあるし金ももったいないので、結局は、キラキラした芸能界と洗練された佐久間信行プロデューサーの大人の男女の会話術を学ぶ旅を知る為のロストイントランスレーション鑑賞まで私の集中力は続かなかった。
かわりに家でポランスキーの水の中のナイフ→袋小路→ラリークラークbully→増村保造 妻は告白する。を断片的にみた。
大昔に竹中直人が絶賛していて購入したボランスキー3枚組セットで反撥以外はめちゃくちゃつまらなかったが、今回 鑑賞してポランスキーによるアメリカンニューシネマという概念。で大変 コクがあった。
その後、大根仁推薦のbully 。これは、腐りきったアメリカニューシネマの生ゴミだ。これも大変良かった。僕はウエストゲートパークと同じくラリークラークのkidsが日本で大流行していた時 ニューヨークのkids もこの程度か?日本人と変わらないやないか?みたいな とんちんかんな感想を持っていた。やはり、フォード西武劇の太陽は光輝くやリバリティバランスを撃った男。などのアメリカ開拓史時代のスモールタウンの伝説。みたいな意味の歴史的資料としての90年代のニューヨークのkids も改めて見直したくなったし、特定の監督のboxセットを買う面白さにポランスキーboxの鑑賞 で気付きつつ、一方でこれ以上の散財も いい加減にした方が良いだろう。
最後に締めで、若尾文子の和服姿を見る。
やはり映画は、良いな。と思った