怪物
三島由紀夫の金閣寺がスタンドバイミーに変化していくTVの政治ドキュメンタリー報道番組の時代の移り変わりをプロパガンダと黒澤明映画の道徳観を何重にもリミックスしたような雰囲気で見せる。というアイデアは良かったが、のっぺりしたアニメ的あるいは電通のcgを巧みに取り入れた実写みたいな画面にはついてゆけず、やはり自分はシャブロルのヴィオレットレジエールのイザベルユーベールのフィルメール絵画やヘルツウォークの油絵のようなこってりした色調の画面に被れているようだ。それにしても、俺のようなオタクに安藤サクラや田中裕子のような極めて今っぽい女性像の演技を受け入れるのは難しいな。と思った。その意味では、とても現実的な映画だと思う。
現実的で電通cgっぽくて遠くで三島由紀夫の金閣寺が燃えている。そして無理矢理の仮面の告白〜スタンドバイミー。全てが自分の好みに合わず、そしてジャニーズ問題やハラスの虐殺報道も含め今の日本にタイムリー。
今さらながらヘルツウォークの試される焦土の切り取りの凄さや、逆にどこまでも他人と自分の業を受け入れるホンサンスの父性に驚かされる。