映画の話

映画 覚え書き

2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

昼下がりの情事 変身

最近は伊丹十三のたんぽぽとか惑星ソラリスみたいな地味ノワールとネオリアリズモとホラーの突然変異。みたいなのが好きになってきた。そういう意味で今日のロマンポルノも大ヒットだった。 監督は、マル秘女郎責め地獄の田中登 ジャロにしてもノワールにし…

オペラ座 血の喝采

素敵な歌と船は行く。以来の鳥モチーフに萌え。 最初は、フルチの黒猫。ジュデェックス。中川信夫 東海道四ツ谷怪談やフィッツカルド。ドライヤー裁かるるジャンヌなどオペラホラーとして見てるうちに、ブランドンリーザクロウ。ヒッチコックの鳥。ウィリア…

月光の女

サマセットモーム原作のせいか、雨や港の女とほぼ同じで退屈したしベディデイビスの為の映画という感じも否めなかったが、ウェルズの上海から来た女の元ネタという感じもしたし、ダニエルクロウズの絵を完璧に実写化している面白さもあった

港の女

ジョンクロフォードよりグロリアスワンソンの方が断然良かったが、雨のジョンクロフォードのゴスロリっぽいワザとらしさも良かった気もする

古臭いメロドラマか?と思ってみていると、最初的に怒涛の狂信的な清教徒アメリカンゴシックに流れこんでく流れで、正義か?と思うと政治的な話だった

女相続人

ほとんど屋敷の中だけで話が完結するダルい映画だったが、これがアメリカンゴシックムービーなのか?と雨をみてから思ったし、月光の女までみると、ウィリアムワイラーがコレクターを撮った理由もわかる気がした

恐怖省

恐怖省。 フイリッツラングやスピルバーグは子供が観る映画だと思いながら観ているとセット美術がティムバートンのお化け屋敷的で洒落ている。タブロイド紙が描いたドリアングレイのジョセフィングセイリングの蠅の女王の登場のニューウェーブパンクっぽいア…

トニー瀧谷

トニー瀧谷 ホラーだった。泉鏡花 衣笠貞之助。白鷺や新東宝 憲兵と幽霊や黒い乳房の系譜。 宮沢りえが、A子は大塚寧々にそっくりだったのにB子を演じた時に最初イッセー尾形の子供役なのか?と説得力を持つほどトニー滝谷的な身体的特徴の模写をしていたり…

悪名

田宮次郎も勝新も、この映画ではそこまでアクが強くなく若く初々しい。そこがpopでいい。まるで童話作家の絵本のような綺麗な絵とスローモーションの時間の流れ、テンポの良い会話劇。 最初の軍鶏博打で持ち主に軍鶏を返しからの逢引に始まり最後に浪花千恵…

bu・su

最初は、東宝映画だと思ってみていて相米慎二の飛んだカップルや台風クラブの日活に真似というか新東宝版対抗版を作るとして失敗した作品か?と思いながら見ていた。黒い乳房と頭の中で比較していくうちに、徐々に高嶋政宏の親父。高島忠夫の花影やいちかば…

大阪物語

大阪物語。是枝監督の怪物に重ね合わせて田中裕子を見てると、田中裕子と安藤さくらが疑惑の岩下志麻と桃井かおりに被ってきたり、疑惑から何がジェーンに起こったか?のアメリカンニューシネマ。としての埠頭に突っ込む車。からソナチネのクレーン車。クレ…

恋狂い

加藤影 監督。艶説 お冨与三郎は迫力があった。Pファンク。 白川和子がとにかく暖かみのあるエロさで良かった。シャベルカーや埠頭の景色。ネオン街のセット。浅川マキの曲など、とても趣があった。カサヴァテスのラブスクリームを日活ロマンポルノの一種だ…

ラブストリーム

2枚目というには余りにも草臥れきった見た目の枯れたカサヴァテス。不思議に若々しいジーナローランズ。 キラキラにはためくドル紙幣ーフラッシュライトをギラギラにあてたハリウッドセレブの裏側から撮った、いつものカサヴァテス〜何百回もフラッシュライ…

月の寵児たち

月の寵児たち。観ながら、ロメールの三重スパイみたいなスパイ物の飛躍したやつなんだ?みたいな感じで観てるうちに、ふいに、マックスオフュルスの「たそがれの女心」から「サスペリア」まで、繋がったてネオリアリズモ。ロッセリーニの欲望とかオフュルス…

11月3週目

カサヴァテスの映画は、リベラルな白人としてjazzへの憧れや黒人差別の問題について捉えている。それは、クレールドゥニのショコラやファズビンダーの不安は魂を食らいつくす。の激しい感情の波に比べると当事者意識が薄く、何処か他人事だ。 だが、とても優…

素敵な歌と舟は行く。

冒頭の鳥 素晴らしかった。ジュディクスの鳥人間からアンダルシアの犬の目にカミソリに繋がるとは思わなかったし、シュトロツェクの不思議な旅のデリ強盗が失敗するシーンもブレッソンのラルジャン的にも続 黄金の7人的にもカルメンという名の女的に見せる事…

チャイニーズブッキーニを殺した男

リコリスピザと男はつらいよ。を混ぜたようなアメリカのショウの世界を殺し屋の日常風景で描く地味ノワールだが、ジャックロジェっぽいプロットでありながら100%アメリカ人っぽい裏の表情でのやりとりが良かった。リリーフランキーのスナックラジオにでてく…

アメリカの影

饒舌な映画だが、その饒舌さが言葉ではなく役者の表情で表現されているところが凄くお洒落だった。冒頭の素人コーラスダンサーの動きと黒人二人が金額交渉している感じが、白人が捉えたブラックミュージシャンや屈折した文化への憧れ。みたいな、いつものカ…

暗殺の森みたいな感じでストーリーの存在しないホラーノワールのコラージュをみているような感じでみたら良いのかな?と思いつつ、惑星ソラリスほど、美しい画面の連続という感じとは少し違って繋ぎ方やコラージュが洒落ている系の映画か?と思った

惑星ソラリス

席がなくてほぼ最前列でみたのだが清順の殺しの烙印をSFにしたようなジャロっぽいホラーさやネオノワールとしての面白さがあったり、冒頭の小川の水や遠近感の狂った妻のイメージの死体感やブラウスは水に濡れて乳首が透けてみえているシーンなど、至近距離…

闇を横切れ

セブンの元ネタという感じもしたし、この時代にここまで瑞々しいアメリカンニューシネマが増村の手で作られていたのは驚いた。やはり山村聡と川口浩の組み合わせがモーガンフリーマンとブラッドピットより会話のテンポがしっくり感じたのは、自分が日本人だ…

暗殺の森

暗殺の森 ファシズムと真実への愛へ目覚める路との対立を様々な映画史のオマージュで繋げたような観念的な作品だったが、出だしこそ素晴らしかったものの、とにかくシーンとシーンの繋ぎ目が雑でカクカクした印象を受けたし、そこまで画面にのめりこめなかっ…

11月第2週目ー地上より永遠に

今週の伊集院光の深夜の馬鹿力を聞いていて、最初にタレントオーディションの話をしていて途中キングコングになったり後々GODZILLAの話になっていくのだが、そのオーディションの話が今週みた新東宝映画特集の新東宝のイメージが浮かんでくるようになってい…

黒い乳房

いつもながらの新東宝。大味。ホラー味。大根演技。だったが、花影の池内淳子が、白鷺とか猟銃の山本富士子の面影に被ったりする事で鑑賞後の記憶をより凶々しくさせていて良かった。 キムギドクの悲夢の風の強い野原での荒々しいカーsexシーンを連想させる …

女王蜂の怒り

新東宝特有の大スターが演じる素人演芸会ノリも良かったが、よくよく考えると衣笠貞之助の白鷺のスピンオフ リメイクであるところもめちゃくちゃ良かった。

女真珠王の復讐

全てが学芸会レベルの演技なのに一流の俳優がでてたり、絵はめちゃくちゃカッコ良かったり、ホラー映画特有の強烈な印影、逆光だったり死後の記憶のようなスローモーションする時間の流れの不思議さ。期せずして四月っぽさもあった

11月第一週目

中川信夫の姿三四郎があまりにも良くて、以前に鈴木清順特集を観ていた時に夏目漱石のこころが浮かんできたのだが、夏目漱石の80sっぽさというのは、明治文學というものが大正という戦争が近づく不安定な世界情勢下におかれた時代から省みると、あまりにも楽…

歌うつぐみがおりまして

ジャーロとかスラッシャー系のホラーっぽいシークエンスが続くと思いながらブニュエルのブルジョワジーの密かな愉しみや欲望の曖昧な対象を連想してみるが、反復する世界観はどこまでもどこまでも優しく。その先にビーガンのロングデイズジャーニーの量子物…

落葉

四月のボリスバルネットのような古臭さに対して、こちらはヌーベルバーグの傑作という感じがあった。パオロローシャの青い春やシオマドクの日曜日の人々、パラジャーノフの火の馬の記憶が混濁しながら映画を終えた 主人公の顔がすこしアルパチーノに似ていて…

四月

あらゆる文脈のヌーベルバーグに悪酔いするまで酔い続ける事がフィルムノワールであるとするならば、このオタールイオせアーニー監督の村川透的殺人遊戯もボディが透明になるまで観続けるべきだろう。しかし、俺にとってはずっと眠かった。 ボリスバルネット…