映画の話

映画 覚え書き

歌うつぐみがおりまして

ジャーロとかスラッシャー系のホラーっぽいシークエンスが続くと思いながらブニュエルブルジョワジーの密かな愉しみや欲望の曖昧な対象を連想してみるが、反復する世界観はどこまでもどこまでも優しく。その先にビーガンのロングデイズジャーニーの量子物理学的アプローチがあり、そこはつまらないな。と思いながら川島雄三の貸間あり。の望遠鏡を覗きながら恋の告白をする淡島千景と自殺した乙羽信子が頭をよぎりながら、最後の時計のゼンマイのカットが鳥の顔の比喩になって終わるところでブレッソン的な冷ややかさで終わる何処までも平和な異色ノワールでありながら、定型のフランス映画だった