映画の話

映画 覚え書き

2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ハライチのターン ノリツッコミ分析

ハライチのターンでボケやツッコミを反対するように見えて逆に補強するノリツッコミのパターンがいくつかあるな。と思った。 要するにその場その場のボケとツッコミの高低差によってむしろ電流がその方向と垂直に流れていく。色々な仕組みと似ている 1.考え…

鬼火、下町(ダウンタウン)

鬼火は評判ほど良くなかった。 下町は、久しぶりの山田五十鈴だったがめちゃくちゃ良かった。三船の演技にも泣いた。とにかく、暖炉で温まりながら放心状態みたいな顔に一瞬なった後 役場を出る時に急いで貰ったお金の場所を確認するシーンだとか、旅館に泊…

やっさもっさ

今まで色々な渋谷実の映画みたけど一番わけわかんなかった。差別的とも、とれるし。現在も間接的には続く社会の暗部に不快に切り込む意味あるのか?とすら思ってしまった。今回の淡島千景はおばさんパーマっぽくて、いつになく今ひとつだったが、やっぱ佐田…

美しき諍い女

エマニュエールベアールの相手役がジャルジャルの福徳だったのも驚いたし、終盤辺りでジェーンバーキンが小峠の顔真似をしているのには本当にびっくりした。やっぱり吉本の笑いは世界ナンバーワン!なんだな。と改めて実感した。髪の毛無くたって大阪都構想…

吸血鬼

最初は、マリオバーバの処女作にしてイタリア発のホラー映画という事で観ていたが、画面が白黒だし迫力もなく眠くなってきて腹がたった。この映画は、欲望という名の電車みたいな話でお屋敷に住む婆あが若い娘を攫ってきて生き血を抜き取り、常に叶姉妹みた…

ジャガーの眼

正直、爆笑問題カーボーイを聞きながら、ウッディアレンの映画もウッディアレンも松ちゃんの下半身ゴシップもあんま意味わかんないし盛り上がんねえんだよな。皆殺しの天使もよくわかんないし。はっきり言ってつまんなかった。と思って、今日の映画みたら、…

深夜の馬鹿力 リスナーギャグ分析

1.サーカスの火を潜った曲芸師とキスをしたら煙草の味がした。 ☆ノワール映画の典型的な場面と行動を組み合わせて、一つのスムーズで派手なアクションシーンの減速運動をつくる。 落ちのところで運動の方向性が変化する 例 銀行強盗して外に止めてある車にと…

爆笑問題カーボーイ

爆笑問題カーボーイのウディアレンの話を聞きながら、出涸らしの松ちゃんの話をウディアレンにすり替える発想は相変わらず凄いな。と思いながら、太田さんは映画における物語の部分が好きなところで神田伯山先生と話が一致する部分があるんだろうな。と思っ…

呪いの血

とにかく、ラケットのリザベススコットの色気。吸血鬼のような独特のメイク。それにつきる。鵞鳥湖の夜の冒頭、ディトリッヒの間諜x21が元ネタだと思ったが、この映画だったようだ。kornのファーストのアー写の意味が、この映画で明らかに。ゴズモポリスのSF…

地獄の英雄

「ガラガラ蛇がやってくる。」 最近は初見の映画の情報を全く知らない映画を観る前に映画の感想文を無意識にすでに書き終えてしまう事も多い。前の映画の感想文で志らく師匠の悪口を書いたら、すでにこの映画の感想文であるだけでなく、志らく師匠の悪口を言…

真昼の暴動

日本國はもはや脱獄不可能の周囲を海に囲まれた孤島刑務所だ!所長の岸田文雄を殺してオスプレイを奪って今夜皆んなでアメリカ大統領に直訴だっ!ニューヨーク1999イイねっ!イイねっ!イイ〜〜ねっ! ...といったタイガーアンドドラゴンな訳でございますけ…

拳銃魔

最初は、ノワールなのに小学生がはしゃいでる映像ばかりが流れてきて、相米慎司の台風クラブみたいな感じがした。 ウィノナライダーのヘザーズやジュリエットルイスのナチュラルボーンキラーズと印象がだぶる。主演のペギーカミングスがサーカスの拳銃ショウ…

悪意の眼

とにかくステファーヌ オードランが素晴らしい。美人と骸骨と機械。そして母性。 序盤のチェスのシーン。チェス盤の部分が脳みそになっているし、オードランの美脚の部分が骸骨の鼻になっている。猟奇とエロ。そして友情。 終盤の遊園地での不倫現場を隠し撮…

異人たちとの夏

鶴太郎に舐めた口をきいていた自分が恥ずかしくなる。後は、TVサイズでも鑑賞できるように計算しつくされているにも係わらず、映画観で観ると今生きている世界から死後の世界までの画面が地続きの奥行きで強調されていてアルトマンのロンググッドバイでも観…

ああ爆弾

最初、伊藤雄之助の刑務所の中のシーンで大島渚の初期の映画のような学生運動やってます!マルクスが愛読書です!みたいな左翼的な芝居と古典芸能の能が混じったようなアングラ芝居が始まった時に、「この映画失敗した...。」と暗澹たる気持ちになるが、その…

オールザキングスメン

まるでトランプのような政治家役の俳優の演技に引き込まれたものの、だんだんと自分の失言に気分が悪くなって画面を観ながらもうわの空だった。 めちゃくちゃいい加減で嘘つきでブレーンの昔からの友人の女や秘書も食いまくってスパイみたいな事もさせて政治…

早春

なんとなく、不良少年の転落人生と甘いロマンスあんま興味ないなぁ。と暗黒の転落観ながら感じてたのが、やっぱり、いくら独身のミソジニストと言えども僕が酔える大人のファンタジーはこれですよ!丸の内の会社に勤めて、淡島千景の奥さん貰うて、同僚の丸…

暗黒への転落

とにかく、顔色が悪く加齢臭というよりもはや内臓全部腐ってんじゃないの?という死臭さえ漂いながら眼孔のみが若者以上にめちゃくちゃギラギラしているボギーがかっこいい。このような半分死体みたいな姿になりながら社会の上まで上りつめた人間しか、スト…

麦秋

昔の塚本晋也作品のノワールのようなぶつ切りされたモンタージュのようなカットの繋ぎと偏執狂のように角度や画面の対称性がきっちりあった画面と影の部分がまるで黒塗りのベンツのようにめちゃくちゃ圧力がある画面で、松ちゃんそっくりの笑い方をする原節…

松本人志

俺は大衆的や庶民的みたいな事が嫌いで流行ってるだけでイラついて観ない。行列の一番後ろに並ぶのが嫌なのだ。だが、天才と呼ばれるような人の作品はほとんど分からず若い頃はわかったフリをしてチェックし続けていたし、俺が気にいったものはすぐ大衆も好…

大番〜風雲編

紳助に続き松ちゃんも芸能活動休止になった訳だが、私はその時間 映画を観ていたのでツイッターを開いてなくて良かった。猫の身体の状態などを気にしながら自分に向き合う刺すような静かな時間。TVの賑やかな雰囲気などではとても補えるものではありますまい…

破局

いい加減に生きていた時よりも糞真面目にやればやる程にあらゆる金銭、病気トラブル、リストラ、裁判ざたに見舞われ、反比例して胡散臭い女や金儲け話を持ちかけられたりする頻度が増えていく。こうした状況がうららかな海辺の光と海岸の霧で呆けたカメラ、…

裸の街

裸の街。シオマドクの罠とラングのMを合わせるとフィンチャーのセブンになる切り口は見事だったが、バーヴォのモデル殺人事件とブニュエルの忘れられた人々に繋げれば、ニュージャックシティの冒頭の橋の上から人間を突き落とすウェズリースナイプスと橋の下…

ストレンジャー6

最初 はメルビルの影の軍隊だと思った。それでジャックベッケルの穴みたいなのでジョンガーフィルドが実は政府のスパイで全員殺される。と思いながらフランス映画として、ずっと観ていたが絵があまりにも血塗られた墓標のようにホラー味がある。それに画面の…

狐と狸。日本泥棒日記

加東大介と三國蓮太郎の行商人対決。森繁久彌の暖簾もいい映画だった。経営者映画というだけでなく夫婦映画でもありますね。青べか物語。中村メイコの独特の夜職の女性キャラですよね。川島雄三作品では硬派な役柄の森繁作品が見れる。グラマ島の誘惑の軟派…

アンダーワールドストーリー

アメリカの織田裕二とか森田健作の熱血社会人ものだが、国がアメリカなので地方都市の話なのに喋り方とか身振り手振りが20年くらい前の六本木や港区で遊んでいるラッパーとか意識高い系サラリーマンみたいでカッコよく、その対比としての印刷所のお爺ちゃん…

神の道化師フランチェスコ

神の道化師フランチェスコは宗教的な映画だ。つまらなすぎて意味深で腹が立ったし寝た。こういう静かな映画こそ大量の幻覚剤を投入して部屋にいっさい光が入らないように密閉して電話線も切って自宅で観た方が良いだろう。ひと笑い起きたところで冗談もこの…

拳銃を売る男

光と影の進行方向が交錯しすれ違う。逆わらしべ長者的なネオリアリズモノワール。ジュースの元ネタ。 今回この映画を観て、ヴェンダースがジョセフロージの影響下にある事に気付いたし、アメリカの友人からパリテキサスまで撮っていき、事の次第で表現の焦点…

若い恋人たち

結局この頃の日本映画のドラキュラと宝田明の風貌を絡めたり、冒頭の2001年の宇宙船のようなセットで顕微鏡で宝田明が覗きこむシーンから司葉子の実家近くの暗がりでの逢引シーン全体が眼球になっているようなホラー映画のパロディのようなコメディセンスの…

深夜復讐便

ラオールウィッシュの夜までドライブや恐怖の報酬を連想しながら、しだいにロストハイウェイやマルホランドドライブからドンシーゲルの2丁拳銃、ケネディ暗殺からフェリーニの甘い生活までのイメージが混濁していった