映画の話

映画 覚え書き

ああ爆弾

最初、伊藤雄之助刑務所の中のシーンで大島渚の初期の映画のような学生運動やってます!マルクスが愛読書です!みたいな左翼的な芝居と古典芸能の能が混じったようなアングラ芝居が始まった時に、「この映画失敗した...。」と暗澹たる気持ちになるが、その後も広沢虎造とウエスタンとか、野村萬斎とDJホンダとか、ウエスタンミュージカルと旧日本軍と東映ヤクザ映画とか、ウエストサイドストーリーと松本大洋とか、色々めちゃくちゃな組み合わせで進むにつれてだんだんとどれもがめちゃくちゃカッコよく見えてきてテンションが爆上がりしだした。

例えば、ヤクザ組織が親分が服役中に自民党議員に乗っ取られて株式会社になっていた。という設定で組員が全員ベースボールキャプを被っている。みたいな雑なギャグ設定なのに、組員=顔が怖い。みたいなとこだけめちゃくちゃ厳格にこだわって撮っているので90年代の日本のhiphopのジャケ写みたいな絵になっているのも良かった。

要するに頭の中でこの組み合わせのギャグは余りにもクドクて寒いのでやめておこう。と素人が考えるような事を全部 真面目にビジュアル化する事でパリコレとか?カニエとかレディガガとか?よく分からないけど、ギャグの方で滑っても確実にファッションリーダーになれる。という事なのだ。いま革命的に確信!

 

全体にMF doomみたいな映画と言える。アートうぜえな。と思ったら天才だったパターン。他の喜八作品も観たくなったが、今週で特集終了という事でこれ一本で終了。とても残念だ