最近は伊丹十三のたんぽぽとか惑星ソラリスみたいな地味ノワールとネオリアリズモとホラーの突然変異。みたいなのが好きになってきた。そういう意味で今日のロマンポルノも大ヒットだった。
監督は、マル秘女郎責め地獄の田中登
ジャロにしてもノワールにしてもヌーベルバーグにしてもチンピラ映画にしても余りにも焦点がずれ間延びしたストーリーと登場人物達。と思いながら、青山美代子と風間杜夫がマンションのバルコニーでの逢引とチンピラ同士の恐喝を目撃した花屋の配達帰りの自転車のカットからジグザグにレイヤーが重なり最期あのような形で焦点があっていく感じが素晴らしかった。
夕焼けの太陽。中国歌謡。四畳半の襖ごしの姉貴の着替えを盗み見る中学生の弟。商店街。最期の軍歌っぽい演歌のレコード。風間杜夫の童顔。小池朝雄とゴルゴを混ぜた似のアフロのヤクザ。ハチミツ爺い。すりガラスごしのシャワーシーン。
全体的にエリートサラリーマンっぽい男女の内に秘めた性欲や反社やアウトローのコミカルで純朴な一面みたいな不思議な雰囲気をよくコミカルな絵にしていて、その社会という渦の中心に異様に生き生きと爽やかな童顔の風間杜夫と完全無表情のいじわる顔の青山美代子がいる感じだ
サンラっぽい話でありながら最期に王道のモダンjazzとナイフ。良かった。
