映画の話

映画 覚え書き

ママと娼婦

怪物→地に堕ちた愛→ママと娼婦。で久々にマリーネディトリッヒ花びら大回転という感じだった。

 

とにかくジョンピエールレオの見た目が悪そうでめちゃくちゃカッコいい。その割にいつもながらのトリュフォー作品つうかそれ以上に中身が酷く軽薄で頭も良いんだか?悪いんだか?社会のレジスタンスを気取りつつナチスの制服に憧れてたりもする。

 

ジョンピエールレオだけに夜霧の恋人達のトリュフォーのパロディみたいにも見えつつ

出だしのアメリカの友人とかスコーピオライジングのバイカー感から、ミュージックボックスとか野獣たちのバラードっぽい感じを通して、時計仕掛けのオレンジになる前半も、前半と真逆の後半のカサバテスっぽい感じのグタグタに崩れる感じも良かった。

 

最後まで観た時、私はモスクワを歩いた。とかパオロローシャの青い春みたいな主題もストーリー展開も歪な形でありながら、本筋は王道のヌーベルバーグの話の枠組みの軌跡を辿って綺麗に収束していく映画が自分は好きなんだな。と思ったし、この型はオーソンウェルズの第3の男のパターンなんだよな

 

キングクリムゾンみたいなサイケロックとシャンソンが混ざる感じも良かったし、笠置しず子特集も観ていれば良かったかな?と思われるほどであった