映画の話

映画 覚え書き

殺しの烙印

殺しの烙印は、ところどころ凝った演出があったにしろ全体的に印象が曖昧で、そこまで清順作品の中では好きな一本では無かった。昨年、映画館で見直してみた時も清順のゴダール気狂いピエロ」「女と男の居る舗道」なのだと勝手に結論づけたりした。

 

しかし、この映画を電光石火の男の故赤木圭一郎のスターの亡霊に支配された映画として考え直してみると、急に全ての場面が生き生きとしてくる。

 

電光石火の男も観る事をおすすめする。

 

後、電光石火の男の冒頭の白木まりと赤木圭一郎が列車で出会うシーンも、風のリリアンギッシュの亡霊として捉えると、2重にスターの亡霊を追う映画。みたいな感じで奥行きや遠近感が増して見応えがある。アルトマンのイメージズや黒沢清の叫みたいな構造ー物語の舞台空間ーを想像して頂くとわかりやすいと思う