カンウォンドンの力
最初、やっぱり猫が好き。みたいなヌルいホームコメディを観ている感じから、時々、顔を覗かせる いつもながらのホンサンスの黒沢清とSFサスペンスの混じったような画面から、セブンや金田一シリーズなどのサイコサスペンスやパルプフィクション的な交錯する時間軸を通って、いつもながらのホンサンスの切なく哀しく、平凡な幸せの下に横たわる運の変わり目の不幸の芽が忍びよる感じと金魚と犬死した精子の比喩のラストにしんみりする。
まるでポランスキーのチャイナタウンやさらば愛しきカモメのような。
脱力した鑑賞後から、じわじわとしんみり押し寄せる傑作の予感
また、ロシアキャバクラや教授就任会の店の音楽など、監督のDJセンスも白眉