映画の話

映画 覚え書き

夜の浜辺でひとり

人生から上昇気流や勢いがゆったりと失われて老いを受けいれていく瞬間をこれ程平凡にさりげなくダラダラと、それでいて映画的にくっきりと輪郭線を見せる映画があったろうか? ウディアレン インテリアを彷彿させながら、もっと引き込まれる優しい冷たさと暖かさがあった。 フラワーオブ上海の全ての戯れの時間と退廃的な予定調和の人間関係に絶望したオープニングを思い出しながら、最近 映画を観る事になんの感情移入も出来なくなっていた自分を、どっぷり映画館の底に引きずりこまれていく心地良さを感じた