とにかく、圧倒的に美しい中川信夫の絵づくりと八千草薫、岩崎加根子、山田真司の圧倒的な美しさ。
岩崎加根子の野沢直子っぽい(岩崎加根子の野沢直子というか台風クラブのバービーボーイズを踊る大西結花っぽさは、そのまま血は渇いている。の吉村真里と岩崎加根子を間に挟んだ佐田啓二と、東京上空いらっしゃいませ。の中井貴一からつみきみほの少年っぽさへとスピンオフリレーしていく)少年キャラと八千草薫のお嬢様っぽいキャラの対比に挟まれた美少年 山田真司は、台風クラブの大西結花と工藤ゆき。飛んだカップルの薬師丸ひろ子と石原マリ子。などその後に続く無数の百合映画の原型のようでもあり、確かにバービーボーイズの歌詞や江口寿史 ストップ!ひばり君。の80sコミックの世界さながらなのだが、これが憲兵の幽霊や鈴木清順の青い乳房の小林旭。三島由紀夫の仮面の告白への路。春に散る桜の暗喩に繋がる事に気付いた。
後の憲兵と幽霊や東海道四ツ谷怪談や地獄。新東宝時代のホラーの巨匠のスタイルの特徴が正統派ラブコメという形で昇華された傑作。
ふと相米慎次の台風クラブの工藤ゆき、大西結花、バービーボーイズから飛んだカップル、ションベンライダーまでがノワール史の延長だった事に気付く。
菊人形のシーン。ゲアトルースの湖。
夜の勲章や黒い手帳、台風クラブ、密告も白鷺も大正浪漫 東宝ラブコメの流れで観ると、ノワールの面白みにまた一つ目覚めた感じもした。
アルジェントの四匹の蝿もこの時代の中川信夫の文芸ロブコメ路線だった事や、ディオナイーナンの薄氷の殺人と小林旭の夜の勲章と萩原健一の青春の蹉跌のアイススケートシーン、構造的には夜の勲章→夜の牙→密告→鉄砲玉の美学と繋がったり。鉄砲玉の美学→ソナチネ→草の上の朝食→熱帯魚→恋する惑星と台湾や香港ノワールの連想を広げてもよい
土屋嘉雄(よしお)の竹中直人と長友を混ぜたようなマッドサイエンティストっぽいキャラ(が借りている電車の高架下の家は渋谷実の現代人の池部涼の実家と同じであり、ジョニーデップのデッドマンやベルイマンの沈黙。木下恵介の陸軍の描写へと続く電車の音と戦争 表現だが、ふとrootsのプロシードを久しぶりに聴いてみたし、これはオセアーニの四月を観てマッシブアタックのプロテクションのPVを見直したからだが、よくよく考えると、この映画 三四郎で勢いよく列車が走ってくるシーンからの風のリリアンギッシュなのであり、電光石火の男の赤木圭一郎と白木まり。なのである)笠置衆のミソゾニー貴族感、(もよくよく考えると真昼の決闘のヘンリーフォンダ的な西武劇のコスプレなのだ)
この映画でも黒い手帳のキムタク江原逹よしがチャラい学生として良い味をだしている