映画の話

映画 覚え書き

愛と死の谷間

やっぱり五所平のメロドラマはホラーなんだな。と実感した。ホラーなんだしハリウッド映画の原型なんだし。今回はブレードランナーとアルファビル、ツインピークスにスタンドバイミーで夜霧の恋人たちだった。廃墟のような大病院で剃刀を振り回す内縁の妻とその内縁の妻が雇う探偵や院長の妾が病院の会計係の泥々の4角関係の構図はキューブリックのロリーターでありHgクルーゾーの悪魔のような女であり情婦マノンでありスパイだ。あと貧乏な家の描写がバラナシだったし、タワマン女医の家が公営団地だった。河原のマネキン塗装の不気味。水槽前のビアホール。ブレードランナーの向日葵の扇風機と向日葵の扇風機そっくりの背後の高層ビル。繰り返される線路内自殺未遂と追いかけっこ。自殺願望を持った元蒸気機関車の運転手で傷痍軍人ユースケサンタマリアの家に飾っている汽車の絵がクロッカーズ鉄道模型。縮まる影。石田純一役が宇野重吉。探偵に探偵をつけたり、探偵が秘密警察に間違われたり。追いつ追われつの恋の逃避行ラブコメに見えて、レッドパージ赤狩り特高と精神病院。サミュエルフラーのショック集団

あと、最後まで観てよくよく考えると是枝監督の怪物になっていた