映画の話

映画 覚え書き

シュトロツェクの不思議な旅

ヘルツウォーク特集をいくつか観て、そのニュージャーマンシネマというべき詩的リアリズムにどっぷりハマっていたところに、この作品を観て、初期のガスヴァンサントの瑞々しいカメラワークの生っぽい素晴らしさを既にこの時代に先取りしていた事にとても興奮した。しかし、今となっては、映像の記憶も何処かに消え失せてしまった。ひもに殴られた娼婦。シュトロツェクを捨てて長距離トラックドライバーと街を離れる娼婦。金属探知機で人情の波動を感知する老いぼれ。その老いぼれとシュトロツェクがdeli強盗であっさり捕まるシーンなど、どれもあまりに瑞々しくキラキラしていて、そして救いがない