映画の話

映画 覚え書き

僕の小さな恋人たち

最初、柔らかい光りに包まれた画面の中にイタリアンホラー映画特有の猟奇的耽美的な不安定な形と色が次節かいまみえておおいに期待をつのらせた割には、わりと普通の風靡の少年や台風クラブに似たロリコン通過儀礼 青春映画だった。

 

ブレッソン的禁欲的演出も味わい深かったり風靡の少年の映画館のシーンを想起させる「パンドラ」という映画のエバァガドナーのアップと建物の水没シーンで映画館中の男女がハプニング喫茶のように観客が一斉にキスしあうシーンはどこかお洒落でもあり、まるでデモンズやパッポンのゴーゴーバーを映画館で観てるような不思議な怪しさもあり、このようなカップル同士がイチャつく為に昔の映画ではよく水責めのシーンが存在しているという事にカルチャーショックを受けた。またワンスアポンナタイムのジェニファーコネリーを彷彿させる店番しながらカップルがイチャつくのを覗き見したりするお洒落な覗き部屋的な演出があったり、サーカスの割れたガラスの上を転げ回るシーンを少年が次の日真似する場面など江戸川乱歩とか寺山修司的であったりするのだがカメラは印象派の画家の絵のようにフンワリしていて最後に16歳の少女の胸を揉みかけて拒否され終わるところがなんともお洒落だった。

 

映画館を出ると、原田芳雄と野村訓市と医大生のロリコン監禁犯を煮しめたような哲学者風の不潔とも高潔ともみえる面倒くさそうな若者が秋の木漏れ日の庭を独り眉間に皺を寄せてウロウロしていて、フランス映画観たなぁー。みたいな気分になった