映画の話

映画 覚え書き

エーガ界に捧ぐの感想文1

自分は、中村登の夜の片鱗や中平康の女の渦と淵と流れや昨日観た内田吐夢の妖刀物語花の吉原百人斬り、川島雄三の花影、木下恵介 今年の恋。や仲代達矢の「最後の審判」「華麗なる一族」「永遠の人」などの映画を思い出し時節、無茶苦茶に号泣してしたりしながら休日の一日中 家の掃除や布団干し家事などをしていた。

そうして寝る前に「エーガ界に捧ぐ」をパラパラ見ているのだが、この本の「本場フランスの元祖 本当は自信がないが、無理に声をデカくしている奴(けれど、えてしてそういう輩は性欲に関して図々しかったりする)である御大ジャンピエールレオ」と、この文章に若き日の自分の姿をボンヤリと重ね合わせたりした。中原昌也氏の映画批評には、氏本人の多方面にわたる文化的教養や才能と裏腹に、そうした学校や会社に居場所のない人達に拠り所を与えてくれる心の介護老人ホーム施設みたいな感じで好きだ。

そうした意味で、昨日のベンダースのことの次第のスマートな主人公には全く感情移入出来ず、むしろその頭脳明晰さと才気が自然にあらわれた社会的に大人だけども少年の心の柔軟性も忘れてはいない。みたいな真のリベラルな人の喋り方が感情移入できず終始癇に障って眠くなってしまった。

ただただ完全なる西欧リベラル社会に対する嫉妬とコンプレックスであるし、もっと言えば日本人でも南青山にあるような店に出入りするハイスペックなクリエイターやミュージシャン達の話し方はあのような感じであろう。

 

と同時に、最初の映画内映画であるSF映画「サバイバー」の出来はとても素晴らしく、これは青山真治エリエリレマサバクタニも観ておけば良かったのか?とすこし後悔した