映画の話

映画 覚え書き

組み合わせについて

正直言うと欲望という名の電車とアステロイドシティの組み合わせの意味が今ひとつピンとこなかったが、地獄の黙示録欲望という名の電車地獄の黙示録アメリカの友人。フィッツカルドとパリ テキサス。パリ テキサスとポゼッション。吸血鬼ノスフェラトゥムルナウ版とヘルツウォーク版。みたいに映画で螺旋構造を遠近感で奥行きを際立たせて立体的に作っておいて、それらひっくるめてスペードの女王など組み合わせは無限に出てくるが、組み合わせることで意図しない文脈が新たに生まれる事もあるし、作品の組み合わせが俳優のゴシップを下品に際立たせる面や政治的に利用されるケースもあるし、関係者を傷つけないセンスの良い組み合わせや編集ができる人間が「センスがある」「洒落ている」みたいな事だろう。逆に傷つける事で高みに上がるセンスがgothという気もするし、GOTHとノワールPULPの関係性は面白い。という気がした。

 

そういう意味で、詐欺師が詐欺から出発して徐々に現実的にどんどん正攻法で成功していくのに、どんどん詐欺師としてのレッテルが膨れ上がっていく街の野獣は傑作ノワールだ。と見終わって3日経って今気がついた。映画館で観ていた時はありきたりの「詐欺師」ストーリーとして見ていたので最後の最後に死ぬ間際まであまり何も感じなかった。当時の観客もそうだったようだ。スコセッシらが絶賛した事で再評価されたらしい