最初は、科学的な犬神家の一族かよ?とめちゃくちゃテンションが上がったが、次第に失速していく無意味で単調な画面にジャックリヴェットのハズレ映画を引いてしまった。とイライラして寝そうになりながら、吉田喜重の水に書かれた物語の山形勲と岡田茉莉子が成瀬の浮雲の中に溶けていく事で高峰秀子や森雅之に変化し、川島雄三の風船に消えていきながら、ハッキリとムルナウのフォーゲルエイト城の闇に消えていく。というドイツ表現主義のジグソーパズルみたいな映画で、ダニエルシュミットのデジャヴと似たような趣向で楽しめた。最後は、最初はサシャギドリのデジレっぽいな。と思ったけど、よくよく考えると秋津温泉みたいだったり、やっぱり岡田茉莉子を連想させる映画のようでした。女のみずうみ での岡田茉莉子が小津の浮き草における若尾文子のイメージにダブル感じが、イザペルユペールの甘い罠に、この映画のサンドリーヌボネールに重なり、そういえばレースを編む女と冬の旅の頑なさは似てたな。と思いながら、美しき諍い女のジェーンバーキンだと思っていた女優がパマテッテジローだったりもした。