普通にトラック野郎シリーズの先がけだし、東映の裸の太陽の系譜だし、高倉健と丹波哲郎と三田佳子という三代スターの眩しいミュージカル土建映画だが、とにかく三田佳子のぽってりした唇とパッチリした二重が東映の赤みがかったグレーに合う。実は高倉健も丹波哲郎も三田佳子も唇が厚くて、顔の圧力が同じくらいのバランスなのもそれぞれのスターの色気を引き立ててると思う。この三人に比べて同じく濃い系の西村晃の顔が若干薄めなのも良い感じだと思う。あと、途中から高倉健が横溝シリーズの金田一耕助みたいな雰囲気になったりヒッピームービーのニュアンスになる感じも良かった。
あと、オープニングの高倉健の歌も土方ミュージカルとして良いバランスだった。この意味は、木下恵介の初期のミュージカル映画の雰囲気を引きずった演歌になる前の民謡風の感じの土建ミュージカルソングになっている事だ。