映画の話

映画 覚え書き

恐山の女

五所平の遺作。傑作プログレサイケだった。恐山のトライバルっぽい音。美しいモノクロの画面。寺田豊の出兵。日の丸の旗に寄せ書き。太鼓の音が銃の音。空爆。性格のひねくれた御曹司 長男の腐った登場の背後の壁に映る絵がサガのヘルマーが書いたっぽい蠅人間。いけすかない金持ちの長男が実は壊れるほど性に対して純粋だったんや?みたいに反転する最後の浜辺で地元の顔役の金や政治で薄汚れた親父の裏の顔の愛情の深さに気付いて号泣。まるでギャグみたいに長男が死んだあとの、東野英治郎菅井きんのスピリチュアル超能力対決。

陽炎座の元ネタだし、ダリオアルジェントのフェノミナと情婦マノンが砂漠とスピリチュアルと売春宿に繋がった。

結局、高い学歴と教養を身につけた長男が地元を離れて東京に逃げて惚れた新妻と一から人生を再生産。みたいな長男がギャグみたいに地元を出る寸前で軍人に車で轢かれた後にこの物語全てをギャグ化していく事で、現在 老いぼれて持ち場を移動する現実的可能性など全くない日々悪い方向にじわりじわり追い込まれている我々の姑息な開かれた世界に対する嫉妬心と恐怖心に安心感と自己肯定感を与え、しかもその安心感も映画の嘘なんだよ。早く現実に帰れよ。と自分への自己肯定信仰心を2重にさりげなく与えて我々を笑わせる。日本のメロドラマの手本。もはや名人芸のような作品、遺作でした。

 

いずれにしても帰宅して猫がそこそこ飯食ってはいて良かった。休日 2本。このペースで徐々に今月中にスパっとやめられたらな。映画観てるから悪い事が起きてる。みたいな悪い自己暗示も芽生え始めてきた。結局、科学的にいうと仕事行くから体調悪くなってはいて映画はあんまし関係ないんだけど。そう思わないようにしている自分がいる。というか、仕事辞めたら、まず社会保険無くなって病院行くのも不可能になる。しかし、よく考えると国保自分で払うだけだからこの思考回路も論理的ではないんだけど。たぶん、これが社会的に個人的にアピール力ない人のひろゆきホリエモンが馬鹿な人間という人。だけど俺以外の一般人もこういう人多いんじゃないかな?なんとなく。みたいな思考回路だと思う。