映画の話

映画 覚え書き

男 度胸で勝負する

ふざけたタイトルに似合わず、かなり良かった。ホラー映画と任侠映画の中間ー黒沢清蛇の道や復讐と同じジャンルだが、黒沢清 ホラーヤクザシリーズより格段に良かった。自分は、両親共働きの為、幼稚園や幼稚園前の頃 夜ひとりで留守番したりずっとTVを観てたり、幼稚園と中学校で虐められていたり、中学校の頃は不登校で学校に行くふりをして家の押入れに隠れたり、補導されたくないので山手線の中に夕方まで乗ってたりしていたのだが、その時観た景色や光の感じになっている。

なので、黒沢清 ヤクザシリーズを観た時は「ヤクザでホラー映画なのに、スラッシャー系でもないし、スカっとしねえ!ずっとどんよりしてるし正直言って不快感しかない。」みたいな感じだったのに、初期のキラキラしたモノクロ時代の東映から観続けていくと、この映画の松方部長や梅宮番長と大原麗子緑魔子の色事師カラー東映の腐りかけの東映とも違った、腐りかけてるわけでなくむしろ鉄が錆びた東映の魅力にどっぷりとハマった。この映画の現代音楽っぽい尺八の使い方もギャングスターとかグループホームなどのDJ プレミアっぽい機械的任侠映画の雰囲気がでていたように思う。

後、汚れサラリーマン役でお馴染みの杉浦直樹のシチサン分けの和服ヤクザのキャラも良かったし、杉浦直樹イカサマを見破ってドスで腕を刺す寸前にイカサマサイコロを隠して血だらけの腕で札をかき集めて逃げきるシーンの流れなどもかっこよかったです。

思い返すと、エドワードヤンのクーリンチュー殺人事件が子供版の実録東映カラーヤクザ映画になっている事も発見できて良かった