映画の話

映画 覚え書き

鶏は再び鳴く

古くさいかな?と最初思ったが、サイコ、ジャイアンツ、ゴーストワールド、スタンドバイミーなど、ほぼ90年代のハリウッド映画の原型みたいな撮り方が今のハリウッド映画など知らない日本人が作ってる不思議さとかウッチャンナンチャンとかキャイ〜ンとか森三中とか完全に日本人の空気感とかの間で作っているのにアメリカ映画のコーエン兄弟みたいな雰囲気が透けて見えてくる事に驚いたのと、ここでの伊藤雄之助が完全に松田優作探偵物語の原型だった事にもびっくりした。

五所平之助の本人が言うように、これが俳句の心で映画を作るという事なのか?と納得し、鳥山明みたいな絵がハリウッド映画になっていってる事の不思議さにつきる。その文脈の中に松田優作もいた。その不思議さがピクサートイストーリーみたいなのに進化し、今はウェスアンダーソンになっているわけだが、未だにアステロイドシティという映画はどう見ればしっくりくるのかわからなかった。ライフアクアティックまではついていけていた。

 

あと、市川崑の満員電車の実家の時計屋がこの映画の小園蓉子の実家だし、それがそのままサイコのベイツモーテルが透けてみえる一方で健気な虐められっ子美少女役の小園蓉子が悔し涙を堪えて明日を見つめる顔がアウトレイジの加瀬亨がキレ散らかした後の表情と同じになるとこも面白かったし、左幸子の片足ガールがティムバートンが監督したあしたのジョーシザーハンズのコメディホラー系の感じなんだと思った

 

あと、この映画が新東宝なのも面白かった。