映画の話

映画 覚え書き

喜劇 初詣列車

前作の東映祭りのおかしな奴も渥美清をトラさんとして認識するのではなくオードリー若林として認識する事で、渥美清のモテない男の演技が映画スター並みにモテる男ではないが、モテないわけではない。みたいな女性や仕事に対して繊細な気遣いができたり、筋肉馬鹿ではないしなやかな身体の動かし方のなかで、しっかり鈍臭い男の役作りが出来ていて、その非現実的なモテない無骨な男のとてもナイーブな複雑な表情像をとても楽しめた。一例をあげると、ずっこける時に足の動きをランニングマンぽくしたりとかリックジェイムスみたいな腕の回し方をする。あと、ヒッピーのズラを被った若き日の小松政夫渥美清が社会人として夕焼けの公園で説教するシーンが、車掌のコスプレをした若林がkohnとか twigyとかロン毛のスケーターっぽいラッパーに説教している。みたいなとても味のある不思議な絵がとれていた。冒頭の西村晃渥美清がキャバクラに来るシーンも先週の田中さんとの喧嘩シーンを思いだしたし、あのシーンにこの映画みたいな内山田洋とクールファイブとか今で言うと何なのか?わかりませんがコーラスグループの絵被せても映えるなぁ。みたいにも思いました。

ともかく映画内のヒッピーギャルが90年代のコギャルそっくりの造形だった部分も含めて、70年代と90年代は完全に平行移動していたなぁ。というような感じで和製オースティンパワーっぽくとても楽しめた楽しい映画でした。

あと、若き日の財津一郎バナナマンの設楽みたいな見た目だったのも驚いた