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映画 覚え書き

エリザベステーラー

エリザベステーラー加賀まりこやジャンヌモローを映画館で観てて好きな男はあんましいないだろうな。と思いながら、そのように男でいうと脂ぎったセクハラ中年男だったり繊細でナイーブでお洒落で教養があって嫌味なサド伯爵的な御曹司っぽく振る舞えるからこそサイケなんだろうな。と、観た直後は、テンション下がるけど、もっと色々と観たくなる役者が個性派俳優だが、一方で自分にとって画面越しに性的なものを押し付けてこられるのが不快なんだが。その不快感こそサイケの魅力でもあるわけで。

そんな意味でいうと、マーロンブランドは初期のパワハラセックスシンボルみたいなアイドルキャラから、どんどん不快なパワハラ デブインポ中年として画面に晒され続け、最終的にゴッドファーザーに収まっているのが凄いな。と思った。彦摩呂ゴッドファーザーになっているみたいなもんやから。たぶん、マッドディロンとユアサーマンのハウスジャックビルドもマーロンブランドとエリザベステーラーみたいな意味なのかな?と思いつつ、今に至るまでラスフォントリアーは一本も観る時間がない。

TVから消える直前の松ちゃんの原節子美輪明宏オマージュの肉体改造と金髪に気付いた時は大変驚かされたが、最近の浜ちゃんは完全に猿の惑星の猿になっているし、これからは失敗整形や駄目魔改造もニューマーベルヒーローになっていくんだろうなと思った。
品川庄司アカサカサカスのギャグも変身しない変身ヒーローネタなんだと気付いた。
更に失敗整形ヒーローみたいな話でいうと、怪談色懺悔 狂恋女師匠とか観た時に一番怖いのは、観客として主人公の女がお岩みたいな顔になって性格が丸くなり不幸の連鎖が止まって良かった。みたいなほのぼのとした気分になる瞬間が観客として一番ゾッとする瞬間だし、ハリウッド映画のマーベルヒーローものがパウルレニの笑う男とかマリオバーバの血塗られた墓標の世界観に逆戻りしていく事へのドイツ表現主義の面白みなのか?と思った。そんな意味でもう一度ファズビンダーとフランクキャプラをマーベルヒーローの視点で見比べるのも面白いと思った